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2008年11月24日

ぴっぴの奇跡。

(前回の続き)
籠の底にうずくまったぴっぴはいつものやんちゃなぴっぴではなく全く別の鳥のように弱っていた。女房が急遽、仕事を休んで病院に連れて行くことになった。仕事に行った私は気が気ではなかった。お昼に電話で女房にぴっぴのことを確認するとぴっぴはお腹になにかを抱えているらしい。おそらく卵なのだろうけど先生は断定しなかったそうだ。とにかく保温を今以上にして餌だけは食べるように注意して2日後にまた連れてくるように言われたそうだ。

私は仕事から帰ってくるとぴっぴはやはり元気がなかった。女房の話だと餌は少しづつ食べているそうだ。確かに糞は小さいながらも何箇所か落ちている。とりあえず赤信号の状態は脱したみたいだがいつ急変するか分からない。2日後にはレントゲンを撮るそうで、その後も経過が悪ければ手術するしかないような事を先生は言っていたそうだ。先生は断定しなかったがぴっぴの状態は「卵詰まり」に間違いない。私のつまらないエゴがぴっぴに卵をたくさん産ませてついにぴっぴは力尽きたのだ。ぴっぴ、ごめんね、辛い思いをさせてしまって・・・私は心の中でぴっぴに謝っても謝り足りない気持ちでそう叫んだ。

翌日、私が仕事から帰ってくるとぴっぴは昨日と同じ状態であった。ところが2時間ほどすると突然、ぴっぴがいつものぴっぴに戻った。「あれ?私は今までどうしちゃったのかな??」と言わんばかりの顔つきでふと我に返ったように顔をキョロキョロさせている。一時的に元気になったのかと思いきや、翌日も元気なままだ。予定通り病院に連れて行くと先生はぴっぴのお腹を触って「お腹の中の物が下に降りてきて楽になったみたいですね、3日以内には出てくると思いますのでなるべく巣箱のような環境に居させて下さい。」と言った。結局この日はレントゲンは見送ることになった。

私たちは早速ぴっぴを幼鳥の頃に入れていたケースに移動させて周囲を暗くした。そして先生の言ったとおり3日後についに12個目の卵がぴっぴのお腹から出て来た。翌日病院にぴっぴを連れて行くと先生からもう大丈夫だというお墨付きをもらった。お腹の腫れもなくとくに後遺症は見当たらないそうである。

ぴっぴは特に治療を受けることなく自然に卵詰まりを克服した。一時期は下手すれば死んでしまうのではないかと思うほどぴっぴは辛そうだった。それを考えれば奇跡と言っていいだろう。私たちはぴっぴの生命力の強さと運に助けられた。そしてもう二度と彼女らにとって理不尽な行動をするまいと心に固く誓った。巣引きさせるにはあまりにも勉強不足だった。もう2度とぴっぴにはこのようなつらい思いをさせたくないと思うばかりであった。

私が何故3年以上経った現在にこのつらかった過去の出来事を綴っているのかと言えばぴよが亡くなった今、ぴっぴと共に生きていく上で忘れてはいけない過去だったからである。ぴっぴが元気でいるのが当たり前のようになってしまって気が緩んでいるときに教訓として思い出すようにしようと思っている。

過去を思わせない天真爛漫なぴっぴ。(昨日撮影)

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投稿者 shirou-miz : 2008年11月24日 23:47

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コメント

shirou-mizさん、こんにちは。
ぴっぴちゃん、本当に大変だったんですね…ぴっぴちゃんの起こした軌跡…きっとぴっぴちゃんは、生命力の強い子なのかもしれませんね。
私たちの「可愛い雛が見たい」その思いは、決して悪いことではないのでしょうが、ぴっぴちゃんや我が家にいたメスのチーにとっては、命がけの仕事だったんですよね。私も、あのあとは、二度と巣箱を入れることはできなくなりました…。以前、我が家にいたチーは無精卵を産むことがなかったので、本当に最近まで知らなかったのですが、オスがいない一羽飼いのメスでも卵を産むんですね(驚)。私の友達の家のメスは一羽飼いなのですが、巣箱を入れなくてもエサ箱の横で産んでいた…というのを聞いて更なる衝撃を受けました。巣箱=出産と思ってたので、そのような何もないところでも産むということは、本当に無知で恥ずかしいのですが知らなくて…
雛=可愛いから欲しい、それだけの軽い気持ちで巣引きするのは、インコ達にとっては、迷惑な人間のエゴなのかもしれませんね…
私もshirou-mizさんの、今回の話を読ませてもらって、忘れてはならない過去をしっかり、受け止めなければと新たに心に誓いました!

投稿者 まいか : 2008年11月25日 10:43

まいかさん、こんばんは。まいかさんも同じ様な経験をされたのですね。
大好きな愛鳥ペアの子供をみたい気持ちは誰でもあるとは思いますが
生む側の鳥さんにとってみれば人間の出産と同じ大仕事ですものね。人間側は
興味本位、鳥側は命がけ・・・私もすごく考えさせられました。
だけど人間のエゴでもし死なせてしまったら後悔するどころではすまないで
しょうね。
これからはぴっぴと楽しむことよりもぴっぴの生命第一を考えて一緒に暮らして
いくことと思います。つらい思い出こそ今後の教訓として生かして行きたいですね。

投稿者 shirou-miz : 2008年11月25日 22:44

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